今年の8月31日で94年の歴史に幕を下ろすことが決まったとしまえん。
最後の思い出に今夏遊びに行ってきた。
見ての通り人だらけ。
実は入場まで1時間もかかった。
現在としまえんはインターネットによる事前チケット販売が行われ、人数が絞られていると思っていたがそれを全く感じないほどの人数だった。
飛び込みではもう入園できないのだ。
….今年の夏も非常に暑い。
人が多く並ぶ列に紛れ日差しと人の熱気で熱中症で倒れそうだった。
普段は絶対並ばないが….今回は人生で最後のとしまえん。
珍しく列に少し並んで記念写真スポットで撮影。
それにしても地味な色の看板….淡いピンクでまるで94年前からそこにあったかのような色合いなのだ….
カルーセル エルドラドに並んでみた。
気合を入れて私たちも並んでみた。
メリーゴーランドに1時間以上並んだのは初めてだった。
ただのメリーゴーランドには並ばないがとしまえんのメリーゴーランドは只者ではない。
すごいポイント①機械遺産に認定されている
としまえんの回転木馬はカルーセル エルドラドというのだが2010年に機械遺産の認定を受けているのだ。
これは世界認定というわけではない….
しかし日本国内で貴重な価値がある機械遺産に対して日本機械学会が認定をするというもの。
この建造物にはどんな文化遺産があるのか振り返ってみよう。
1907年にドイツの技師ヒューゴ・ハッセによって作成されたこのメリーゴーランド。
通称カルーセルは初めから日本にあったわけではないようだ。
技師は蒸気機関の仕事を行なっていたのだがカーニバル業に転身。
蒸気機関の技術を持っていた彼にとってカラクリ遊具を作ることは容易だったのか遊園地業の王様と呼ばれるまでとなった。
この回転木馬たちはそんな彼とともにヨーロッパを転々としたみたい。
しかし戦争がはじまりカーニバル業を行なっている状況ではなくなった。
1箇所に留めることとなり目をつけられた場所がニューヨークにある遊園地。
1911年に移設された。
ここでカルーセルはエルドラドと呼ばれるようになる。
エルドラドはアンチャーテッドなどでも出てくる単語だが【黄金郷】という意味。
なんともワクワクする名前。
ところがその遊園地も1964年に閉園を迎え、一度カルーセルは解体されてしまったのだ。
ここでとしまえんが眠っていたカルーセルを買い付け1969年に遥々海外から輸送され修復作業を経て2年後に日本で動き出したんだ!!
現在では昔の名であるカルーセルとアメリカでの呼び名のエルドラドを組み合わせて?カルーセル エルドラドとして日本で愛されてきた。
としまえんのキャラクターのこの2人もカルーセルが由来。
その証拠に背中にはみんなを乗せる椅子が付いている。
1971年から2020年までを日本で駆け抜けた。
心なしかお疲れのようだ。
すごいポイント②彫刻が凝っている!
木製かつ手彫りの回転木馬。
装飾の出来もさることながらこれだけ長い間形を維持し動き続ける事がすごいよね。
煌びやかで見ていて飽きない。
ただそれだけではない。
隠れ怪しい彫刻を探す事ができて楽しいのだ。
ちょっと見てみよう。
馬の顔がみんな違う….これは型に流し込んで作るような現代のメリーゴーランドと違いまさに手彫りの醍醐味。
お気に入りを探せ!
ひび割れた支柱。
ただの塗装剥がれでなく木製だからこそのひび割れや塗装浮きが見れて楽しい。
現代じゃ考えられないサイコな彫刻達。
至るとこにある生首。一体なぜ….
昔の流行なのだろうか….
手前のキッズの顔もさることながらそれぞれの柱の先にも人面があり完全にホラー。
今にも断末魔をあげそうな表情がたまらない。
すごいポイント③それぞれ回転速度が異なる!
どういうことかというとこの回転木馬は三段式になっているのだ。
現代メリーゴーランドのように一面のみがただ回るのではない。
一番低い座席、中段、最も高い座席と座るところがあり、さらにそれらが独立してそれぞれの速度で回る。
自分たち以外の景色がグルグル回り続けるのだ。
私たちはそれらが最も実感できるであろう中段の座席に座った。
上にも怪しい彫刻がある。
よくドラマの撮影にも使われているというこのメリーゴーランド。
片乳をほっぽりだすストロングスタイル。
グルグル回って片乳見つけるごとにブヒッフヒヒッって不気味に笑うアラサーがそこにいた。
今思えば暑さで頭がおかしくなっていたと思う。
ちなみに内側になるにつれて高速で回るようだ。1分50秒とは思えない濃密な時間だった。
ちなみに両隣がグルグル回る非日常景色に酔ってしまった。
そしてこのメリーゴーランド。めちゃくちゃ速い。中段でこれなら最上段は文字通り目が回るだろう。
このように階段があり好きな位置に座れる。
階段があるメリーゴーランド自体結構珍しいよね。
一段下の景色はこんな感じ。
帰ろう。もうとしまえんでは乗る事がない。
しかしこのカルーセルの経緯からしてここで壊してはい終わりとはならないだろう。
おそらく解体するにしてもまたどこかで復活を迎える。
それまではしばらく休めるよ。
痛んでしまったのかビニールが貼られた座席もある。修復されるのであればその後が楽しみだ。
名残惜しいね。
またどこかで乗れたらいいな。
ちなみにド派手なジェットコースター類は列が長すぎて一切乗れなかった….この炎天下で2時間待ちは昇天してしまう。
おわり