最近何かと教員のいじめ問題が盛んです。
今回は薬学生の時に行った実務実習での辛い体験を語ろうと思います。
実務実習は正直あまりいい思い出がないです。
苦難を乗り越えたという意味で友達はできたけどね。
そもそも実務実習って何?
ここつまんないからとばしてもいいよ。
あまり一般的ではないので知らない方も多いと思うけど、薬学部は平成18年度(2006年)から6年制になった。小学生かよってくらい長い。しかし人の命に関わる仕事のためこれはしょうがない。しっかり勉強する必要がある。
そのため薬剤師になろうとしたら6年間学校に通い勉強し、卒業。(学校それぞれ卒業試験を用意していて、それもまた難しい。)
そして卒業でホッとする間もなく国家試験を受けて薬剤師免許を取得する流れなんです。
前述の通り2006年までは4年制だった訳だけど急遽6年制にした事もあり、勉強量が増えただけでなく、【実務実習】という過程も増えた。
約半年間という長い期間を病院や薬局に実際に赴き、実地での体験をするというカリキュラム。
増えた2年間はこのように新しい試みを組み込まれ、4年制から6年制になったからといって決して暇な時間が増えたわけではなかった。ほんと学生の辛いとこね。
学生当時は嫌で嫌で面倒くさくて行きたくなかった。バイト状態な事もあったのでお金くれよ….って愚痴を言い合ったこともあった。
だが実際に働く現場に行って薬剤師の仕事を体験したり、横で患者様と薬剤師の投薬風景を見るということは、これからの自分の進む道を選ぶという意味でもかなり有意義だと今になって思う。今は大人だからね。大人の視線で言うとね。
学生の子たちの気持ちになるとだるいわ〜って思うのも仕方ないと思うし、それをいかにその気にさせて、楽しくそれでいて真剣に学ばせるという事が実務実習を受け入れる側の課題だと思う。学べるってことは楽しい。実際教えるのがすごい上手な薬剤師もいたし、薬の雑学も面白かった。学生との距離の取り方も上手い。
前置きが非常に長くなってしまったが、そんな実務実習の思い出だ。
実習先の評判は気にしろ!!やばいなりに理由がある!
おれが選んだ病院は元々かなりヤバいやつがいる!!ってかなり話題になっていて正直オススメしない、人気のない病院だった。
しかしあえて自分はそこを選んだのだ。
なぜかって?家が近かったから。ただそれだけ。
しかしこの選択は本当に後悔した。
学生に伝えたいのは、実務実習はアホみたいに長いぞってこと。それに逃げられない。
少しでも評判いいところに行った方がいい。扱いが天と地の差だ。
自分はそれまで大人とのコミュニケーション関係で挫折は味わったことがなかった。バイト先、先生、諸々。
いずれも無難にそつなくこなせたし理不尽な注意や、八つ当たりで怒られるって経験は一度も体験したことがなかった。
怒られるどころか重宝される位だった。今思えばこれは周りの環境、大人たちに恵まれていたってのもあると思う。当時はそれが当たり前だと思っていたんだ。
そんな甘ちゃんの考えだから今回も自分なら無難に終わるだろって思っていたんだけど….そんな自信は一瞬で崩された。
主要登場人物
- おれ….薬学部の陰キャ。日陰者。
- Uくん….今回の実習で仲良くなった。家も近くプライベートでも遊ぶことが多かった。つるんでる奴らいつもガラ悪い。
- ギャル男….今回の実習で仲良くなったダチ。
- Tくん….一年の頃から仲が良いダチ。切れたナイフ。
- イケメン陽キャグループ….メンズ。知り合いレベルの付き合い。
- ゆきちゃん….女の子今回の実習で仲良くなったダチ。
- まよちゃん….女の子今回の実習で仲良くなったダチ。
- サーファー….色黒サーファー。実務実習担当の偉い人っぽい。しかしジジイには逆らえない。
- ジジイ….薬局のボス。気分屋にステータス極振りしたならず者。モノを投げつけてくるってもっぱら噂だった。
- 浅井パイセン….学生の味方。神。優しい。優しすぎて少し学生にいじられる。
- BBA….こいつも気分屋にステータスを極振り。その日によって味方、敵と入れ替わるので毎日ビクビクしていた。
病院実務実習序章
まず初めにご挨拶をする。実務実習は一度に多くの学生を受け入れるのでその時も20人近くいたのかな?
始まる前に廊下で薬剤師っぽい人に挨拶をするが見事にシカトされる。
この時点で【えっ?!】ってなった。まあ聞こえなかったんだ…くらいに思ってた。
あと一番初めは自己紹介や挨拶がてら調剤室で説明を受けたりしていたのだが、その間に来た患者らしき人物にジジイが「受付あっちなんだよォ!わかってんの!!?ォオン?!」ってブチ切れていてやっぱりここはヤバいところかもって再認識した。
ジジイは学生達の自己紹介などは全く聞いていなくて興味もない様子だった。
何より全員ドンヨリ暗くどこか重苦しい雰囲気がまとわりつく印象だった。直感的にこの薬剤部はみんなお互い仲悪いんだなってわかる感じ。
実務実習辛い体験談まとめ
半錠編
その後1週間以内で色々酷かった。もうすでに計数調剤などは行っていた。所謂薬を集める行為のことだ。大量に半錠を作る時があった。
半錠というのは発売されている錠剤を半分に割ることだ。錠剤一粒では効果がありすぎる、けどこの薬どうしても使いたい!って時に半分に割ってお出しする。
想像にたやすいと思うが半錠はやはり手間がかかる。一粒一粒粉々にならないように丁寧に魂を込めて割るからだ。患者様が服用するので当たり前である。
その時学生はおれ含めて3人だったかな。薬剤師はその時ジジイのみだった。
多分100錠近く半分に割らなくてはいけなくて大変ということで学生で話し合って2人は半錠、おれは普通に計数調剤をそのまま行っていた。
イケメンとUくんが必死に割って、じゃあ薬剤師の先生にチェックしてもらおう!となった。
当たり前である。学生が割ったものなど危なくてそのまま出すわけにいかないからだ。しかしその場にいるのはジジイのみ….正直何か小言は言われるだろうなとは思った。
多分この終わったことを誰がいうよ?みたいなので5分は悩んだ。
Uくん「あの、これ確認お願いします」
恐る恐るUくんが聞いた。
この風景。もはや刑務所。許可願います!!みたいな。
ちなみに普通こんなに気を遣って薬剤師の指導員と接しないからね。
他の病院実習の子達は薬剤師のパイセンと友達になったよ〜☆ローラだよ〜☆みたいな軽いノリだったがココはUSAも真っ青なプリズン。
ヤるかヤられるかだった。圧倒的にヤられるしかないのだが….
ジジイ「あ?なんでおれがそんなん見なきゃいけねぇんだよ?」
この一言である。薬剤師が現在アンタしかいないからだよ!って全員で心の中で思ったね。Twitter手元にあったら100回は呟いていたね。
3人とも固まる。
おれら「お願いします….申し訳ないです。面倒になってしまって。薬剤師の方が他にいないのでお願いします」って懇願した。
ジジイ「チッ……..」
めちゃくちゃ嫌そうに監査を始める。半錠をしたUくんらは手を前に組み2人で並んでジッとその様子を見ていた。
ジジイ「ダメ、これもダメ、ダメ、ダメ」
ジジイ「もう捨てろよ、これ。使えねぇな(半錠もおれらもって意味だと思う)」
みたいなことを言われ実質大半の半錠が捨てられた。ピンセットでチマチマ摘んで、摘むごとに小言でグチグチ言いながらゴミ箱にポイポイどんどん捨てていく作業を繰り返すジジイに2人はとれだけ悔しい思いをしたか。多くは語るまい。チマチマグチグチポイポイ。TTGGPP。←意図せずチミンチミングアニングアニンみたいじゃない?これ通じる奴は理系。
ちなみに今思い返してもまっったく問題ない半錠だったので、ただの嫌がらせです。
2人の手は後ろに回って組み直されていたがUくんが手をめちゃくちゃ強く握っているのがわかった。我慢してんな….結局2人は再度半錠を作り直した。
おれ「災難やったね….」
Uくんら「手ェ震えたわ….」
毎回何かしら嫌な思いをするので調剤室の時間は本当に嫌だった。
その日どこの担当になるかカレンダーのようなモノを渡されるのだが、調剤室の日は本当に腹痛と吐き気がしたし、行きたくなかった。不登校の気持ちってこうなんだ….って知ることになる。おれ自身も結構色々言われた。
忙しい時間帯が来るとジジイは余裕がなくなってくる。
ジジイ「ジャマなんだよ!!向こう行けよ!!ジャマ!!!」って鼻息荒くキレられるのは当たり前。この【焦り混乱】状態ステータス異常のジジイの時は急いでジジイミサイルを避けないと肩を打ち当てられる。プリウスミサイルに匹敵するほど凶悪。ホーミング性能は低めなので回避行動でダメージを避けられる。
ジジイ「てめぇ、床歩くんじゃねえ!!」
などよく言われた。もう床歩けなかったら浮くしかねェって思った。ホバリングモード入るか?!ええんか?!って感じ。まあ無理なんで一時的に調剤室の外に出ましたが….
輪ゴムBBA
ジジイだけではない。ここは調剤プリズン。獰猛な囚人達はまだまだいるぜ?
それはいつもの憂鬱な調剤室。いつものように輪ゴムで薬を束ねていたら、BBAが発狂してキレてきた。
BBA「この!!輪ゴムの!!!止め方!!」
ポップ、ステップ、ジャンプよろしくぶちぎれるBBA。
BBAは先ほどまでは調剤室の遙彼方に居たはずなのに、気付いたら鼻先に立っていてブチ切れていた。間合いが詰められた?!
そう、このBBA沖縄の歩法縮地法の使い手なのだ。(知らんけど)伝統派空手をしていたおれでも全く反応できない速度で鼻先に来るなんて…このBBA只者ではない。
とにかく輪ゴムの止め方のこだわりが強く、輪ゴムの止め方で2〜3回キレられた記憶がある。もちろん錠剤の重ね方などきれいに束ねる方法があるので、それに倣うわけだが二重に束ねた輪ゴムがズレているだけでキレるのはヤバすぎた。調剤室で一頻りキレられてシュンとしながらBBAについていき病室回診をした。
BBA「ジジイ薬剤師うざいでしょ〜私もあの人大嫌いで〜ホント嫌になるよね〜云々」と延々とBBAの愚痴に付き合わされる。先ほどまでの切れ具合から唐突なスイッチ。
おれからしたら全部並列同列で嫌いだけどな。消えろ。って思いつつホントツレェッス〜って話を合わせてあげてた。社会の縮図を学んだ。
とりあえず同僚の悪口を実習に来た学生に話すのはヤメロ。反応に困る。そしてどこから漏れるかわからないライアーゲーム状態の時に迂闊に味方したらまじでヤられる可能性もある。
しかしあまり話にノらないと今度はBBAからターゲットにされてヤられる。まさにサバイバル。
ちょっと長くなるので一旦切ります。
幸いなのは全員に対してこんな感じだったってところかな。仮にターゲット方式で自分だけこんな状況になっていたら耐えられなかったと思う。後半は慣れてきたしね。
ああ、そうそう。この物語はフィクションです。
実際の団体人物とは全く関係ありません。こんな薬剤師いるわけないじゃないですか〜嫌だなぁ(真顔)
まだまだ続く